窓外から聞こえてくる雨音で、ひどくリアルで生々しい性的な夢が中断された。作家の村上龍は、見た夢の内容をメモとして書き残し、小説のアイデアとして活用しているらしい。自分の夢は常軌を逸しておもしろい、と書いていた。

 ときどき、忘れたくない、もっとその夢の中に留まりたいと思うような強烈な内容の夢を見ることがある。目が覚めても現実と夢との境目がわからず、しばらく放心状態となってしまうような夢だ。自分も一時期、そういった印象的な夢は日記に書き残すようにしていたのだけど、馬鹿馬鹿しくなってやめてしまった。どう考えても自分が頭のおかしな奴にしか思えなくなってくるからだ。

 夢とは、その人の深層心理を表したものなのだろうか。覚醒しているあいだは決して姿を表すことのない、抑圧され制御されたいろんな感情や欲求が、眠っている間にだけ夢というかたちをとって浮かび上がってくるのだろうか。その多くは脈絡などなく、話が平気で分断され、あっちからこっちへいきなりワープする。支離滅裂だ。でもきっと、それらは何かを訴えかけているのだろう。眠っている間という限られた時間の中で、必死に何かを伝えようとしているのだ。